
△ 映画「Cube」では発達障害らしい青年(右)だけが生き残る。大きな音に対して耳を抑えて防御するというあたり、自閉症傾向としての描き方ということでいいのだと思います。今や彼らだけが「地獄行きの定義」に引っかからない人たち。
最近、頭自体コワれてきているんですが、その元凶は明らかに聖書とキリスト教。
あるいは「天国と地獄」の概念を含む死語の世界。
「神曲」も良くない。あれの概念には中毒性がある。
最近だけでもそれら絡みでこんなに書いてました。
» 地獄のメニューは豊富なのでした
» 死んだ後も苦労しそうです(七つの大罪)
» マタイによる福音書24章を読んでみた
というわけで、最近の自分の未来感は「オレは近々死ぬ。それからどうしようか」という方向に移ってきています。今の経済状況や自然災害を含む未来予想の中で「いやあ、大丈夫だよ」と言える人はむしろスゴイわけですよ。生き残れる可能性がある。
ワタシはもう考えるのが面倒になってきたので、「あっちの世界」にでも行こうかと。
そして、やはり死んだら地獄に行くだろうなあ、と思わざるを得ない。
それはまあいいだろう。
さんざん楽しい人生を過ごさせてもらったのだから、人生の後半(永遠らしいが)は地獄にいてもいい。
しかし・・・と思うことがひとつあります。
どうも地獄の定義を厳密に当てはめると、理性のある現代人のほとんどは地獄に行くのではという懸念です。
こちらの記事の地獄の罪状と負う罰を見てみましょう。
洗礼を受けない→一生退屈な地獄
肉欲に溺れた者→荒れ狂う暴風に吹き流される
大食の罪→引き裂かれて泥濘にのたうち回る
浪費の悪徳を積んだ者→重い金貨の袋を転がしつつ互いに罵る
怒りに我を忘れた者→血の色をした沼で互いに責め苛む
異端者→火焔の墓孔に葬られる
隣人の身体、財産を損なった者→煮えたぎる血の河に漬けられる
自ら命を絶った者→奇怪な樹木と化して葉を啄ばまれる
神および自然の業を蔑んだ者と男色者→火の雨が降りかかる
もうこの時点でほとんどの人がアウトでしょ。
該当しない人がどのくらいいるのか。
こんなブログの記事自体が「神および自然の業を蔑んだ者」に該当して、「火の雨が降りかかる」わけですしね。
もうこんな世の中イヤだ! と自殺しても「自ら命を絶った者→奇怪な樹木と化して葉を啄ばまれる」ということで、変な樹木になってしまうみたいですし、誰にも逃げ場はないですよ。
そして、ここからまだまだ続きます。
婦女を誘拐して売った者→角ある悪鬼から鞭打たれる。
こびへつらった人→糞尿の海に漬けられる。
聖物や聖職を売買し、神聖を金で汚した者→岩孔に入れられて焔に包まれる。
呪術を行った者→首を反対向きにねじ曲げられて背中に涙を流す。
職権を悪用して利益を得た者→煮えたぎる瀝青に漬けられ、悪鬼から鉤手で責められる。
偽善者→外面だけ美しい金張りの鉛の外套に身を包み、ひたすら歩く。
盗賊→蛇に噛まれて燃え上がり灰となるが、再びもとの姿にかえる。
謀略者→火焔に包まれて苦悶する。
不和・分裂の種を蒔いた者→体を裂き切られ内臓を露出する。
詐欺師→疫にかかって苦しむ。
この中で実は一番「やな感じだなあ」と思うのは、呪術を行った者の「首を反対向きにねじ曲げられて背中に涙を流す」。
あああ・・・これはイヤだなあと思います。
姿勢的にも人に見られたくない。
意外と軽罰なのが「偽善者」。罰は「外面だけ美しい金張りの鉛の外套に身を包み、ひたすら歩く」。これだと見栄っ張りの死者ならむしろ嬉しいんでないの?
「金張りの鉛」ってカッコイイし。
その他、最大の罰となる「裏切り」があるんですが、これは基本的には氷漬け。
ただ、裏切りってよくわかんないんですな。
もともとキリストさんに興味があったり、「キリストをダマしてやれ」とか思ってないんで、裏切りようがない。
例えば、同じ学校や職場に好きな女性(男性)がいるとする。
初めて声をかけた時の相手の態度として、
・「あんた誰?」と自分の存在さえ向こうは知らなかった
・こっちの気持ちを読み取られ、巧妙に騙されてしまった
というのならどっちがイタイかと。
やっぱり騙されるのはやだね。
「あんた誰?」もキツいことはキツいが、立ち直れるのも早いと思う。
ダンテさんとかキリストさんはそれを言いたかったのかと。
10年くらい前に、CUBEというカナダ映画がありました。謎の密室空間に閉じこめられた7人かがそこから抜け出すまでを描いた、少し形而上的な作品。相当おもしろい映画ですが、内容はともかく、この映画で最後に助かるのは、「精神障害を持つ青年だけ」でした。自閉症の中のサヴァン症候群と呼ばれるものをモチーフにしていますが、いわゆる「理性社会では不適合」な青年であることには違いないです。
さて、自閉症(だと思われる)彼に地獄の定義は当てはまるか。
これが・・・ない・・・んです。
彼はほぼ確実に煉獄を経ずに天国に直接行ける数少ない人間のひとりなんです。
なるほど・・・。
価値観の転換、あるいは消滅というのはこういうことなのかなあと。
CUBUで助かったのが7分の1。
この比率を当てはめますと、7人の一人が天国に行ける計算になります。
しかし、現在、日本での自閉症での割合は公称1000分の1(アメリカは十倍)。
他の精神障害が人口の3%〜5%。
そう。
たぶん天国に行けるのは彼ら彼女らだけなのです。
ワタシも、これを読んでいるあなたも多分、全員地獄に行きます。
ならば、今からでも、「なるべく軽い地獄で済むように生きていこう」かな、とか思ったサンデーだったりしたのでありました。




